置上(浮き彫り)

置上技法(おきあげぎほう)

土を少しずつ筆先にのせ盛り上げて「レリーフ」を施した文様は、江戸中期(1680年頃)より三川内で完成された技法で「置上」(おきあげ)と呼ばれました。(土を置いて上げる技法から、そう呼ばれている)
また、海外でも注目され西洋磁器の中で最高の技法である「パテ、シュール、パテ」(天使の技法)へと発展しました。

この置上技法による美術品は、現代の大英博物館をはじめ欧米の著名な美術館にも所蔵され高い評価を得ておりますが明治初年頃よりその技術は久しく途絶え伝承されていませんでした。
その理由は、石膏型の普及にあります…、石膏型によって容易になっていく技法的模倣は真の姿を隠していきました。

「置上」でしか出来ない「逆こうばい」の付いたレリーフのリアルな表現と「浮き彫り」の部分の土を変える事によって生まれる微妙な遠近感は、石膏型はおろか単なる磁器の彫刻作品とも違う異次元の世界なのです。

また、置上の技法は、「貼り付け彫刻」技法からの発展と思われます。
他産地の作品の多くは、レリーフの部分が割れたり剥がれたりしていますが、三川内焼の「置上」・「貼り付け」は、一体化しており他産地を寄せ付けぬ技術の高さが分かります。

私は、この置上彫刻の美しさを多くの人に知ってもらいたいと思いここに紹介しました。